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字切図の電子化による増高申請作業の省力化
~GIS災害増高申請システム~

農地・農業用施設災害復旧事業にかかる補助率増高申請に必要な字切図をGISで作成、申請書類作成をシステム化し、業務の省力化を実現

平成21年7月中国・九州北部豪雨

平成21年7月下旬、山陰沖から近畿地方を通って東海地方にのびる梅雨前線に向かって、非常に湿った空気が流れ込み、前線の活動が活発化したことにより、中国地方から九州北部にかけての地域を中心に集中豪雨が猛威を振るった。
宇部市においても、この集中豪雨により、時間雨量、日雨量ともに1976年の観測開始から最高値を記録した。また、ため池決壊のおそれから、一時、避難勧告が出されるなどし、農地・農業用施設にも甚大な被害を 受けた。

  豪雨により土砂が流れ込んだ道路

農地・農業用施設災害復旧事業

「農地・農業用施設被害復旧事業」は、台風や集中豪雨などの異常な自然現象が原因で、農地および農業用施設が被災した場合、条件により、補助事業による復旧が可能となる制度である。
市町村は、本事業による一連の作業において、大きな役割を担うこととなり、宇部市耕地課においても、「平成21年7月中国・九州北部豪雨」の影響で被災した農地および農業用施設の復旧に取り組んだ。

システム導入の経緯

市町村では、被害を受けた農地や農業用施設の災害復旧事業にかかる補助率増高申請書を作成し、提出する。
「平成21年7月中国・九州北部豪雨」により、宇部市においても「本災」として申請書の作成が必要となる農地および農業用施設が230件に達した。
申請書には、被害箇所の特定のために、「字切図」を添付しなければならない。また、被災状況を現地確認し、復旧工事金額の査定を受ける際にも「字切図」が必要となる。
宇部市では、システム導入前、被害箇所や道路水路の着色を行うのに、紙の図面をコピーして貼りあわせ、色鉛筆で枚ずつ塗り分ける作業を行っていた。また、補助率の計算式も複雑であるため、申請書の作成には多くの手間と時間がかかっていた。

  GIS増高申請システムの構成

システム導入の効果

申請書に添付する字切図の作成にGISを使用することで、紙図面のコピーや貼りあわせ、色塗りなどの手作業がなくなり、修正等の手戻りを減らすことができるようになった。GISで地籍を選択し、被害箇所を登録できるため、字切図を作成しながら被害の全容を確認することができた。また、複雑な計算をシステム化することで、計算の手間を省き、正確な補助率の算出を迅速に行うことができるようになった。
システム導入前には5名で行っていた作業が、システム導入後は同様の作業を2名で行うことができるようになり、被害箇所の現地調査に人員を配置することができた。
平成21年9月にシステムの導入が決定し、同年の12月初めには申請書類を提出するという非常にタイトなスケジュールであったにもかかわらず、効率的に申請までの作業を行うことができた。

  GIS増高申請システムの画面

GISの更なる利用

「今回、GISを導入し、システムを構築したことの最大のメリットは、地図と属性を電子化することで、GISを活用しながら一連の作業ができたこと。」と語る宇部市耕地課の岡村氏。
情報を電子化することで、災害の履歴をとることができ、どの地域に災害が集中しているかなど、GIS特有の地図分析を行うことが可能となる。宇部市耕地課では、今後、増高申請作業のみの活用ではなく、防災計画などにも役立てていきたいと考えている。

  作業の様子

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